小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

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 騒音おばさん報道の謎

 というわけで(上の記事から話が続く)最近の猟奇殺人の報道見ていても、つくづく犯罪被害者にはなりたくないと思うわけです…。死んだ後も報道で身包みはがされる。被害者の遺族にとったらたまらない…。犯罪を犯してしまった犯人たちの親や兄弟にも同情します。そして犯罪者にでっちあげられることだってありますよね。男性は痴漢冤罪とかかなり身近な恐怖でしょう。


 で、最近気になるのは奈良の騒音おばさんこと河原被告のこと。あの人は本当に実刑判決を食らうほど悪いことしてるんでしょうか…?300時間も河原被告を盗撮し、カメラを向けながら罵倒したりへらへら笑ったり(初期のワイドショーでは映ってた)自称被害者隣人の行動もかなり違和感あるのですが…。というかあの執拗な盗撮(300時間に及ぶ)は異常だと思う…。


 最初騒音おばさんの映像を見た時、私は「ああ、心が病んでる人なんだろうな…」って思いました。なのに、裁判が始まった途端テレビがモザイク無しで彼女を何度も何度も放映するのでびっくりしました。他の重大な犯罪でさえ、犯人の顔や実名報道には神経使っている(はず)のマスコミが、何故あのおばさんに関してはここまで晒しまくるんだろうと…。なんだか変…と思った。確かにひどい迷惑行為をしてるしあういう人が隣人だったら大変だとは思うけれど…。近所の人たちのインタビューからは河原被告の悪口はほとんど聞かれなかったのも謎でした。


 そしてその後、河原美代子被告の深刻な背景(娘ふたり、夫、ひとり息子が次々に重い病に倒れて何十年と闘病を続けていて、近年娘さんふたりと旦那さんをなくしていることなど)を知って愕然としました。河原家にある2階建ての駐車場は家の前に車を駐車する行為に隣人のクレームが来て建てたらしいですが、だとすると河原被告は隣人に対して最初話を聞き譲歩もしていたことになる。近所の証言にも真夜中までふとん叩きしていたわけでもなく、怒鳴るのは隣人がカメラを向けていた時だという情報も出てきてる。


 テレビで河原被告が叫んでいた言葉は最初意味不明というか支離滅裂で病気の人のそれに聞こえたけれど、そういうつらい家族の背景やら他のことを知ってからもう一度聞くと、報道陣に言った「これは私の叫び、命をかけた戦い」とか、「今日も朝から嫌がらせ、抑圧!」と隣人のカメラに向かって怒鳴っていた言葉に意味が出てきます。前者は病で臥せっていた娘さんたちがいる時に始まった隣人とのトラブルの中での被告側の思いを訴える言葉、後者は「今日も朝からいやがらせ」してるのは河原被告が出てきたりふとんを干す途端にカメラを向ける隣人の行為のことではないのかな?とも思われます。つまり毎日そうやって「抑圧されている」と訴えてるのではと…。だから対抗手段としてふとん叩きになっていった…?(仮定の話ですが)


 河原被告の迷惑行為は明らかなものだけれど、世の中には陰湿に巧妙に隠されたものがある場合もある。もしあの映像が、隣人が散々河原被告を煽って引き出した、マックス状態の怒りの形相でわめく場面だけを編集して見せてるのだったら…?かなりこの事件の見方が変わりますよね。それを証明する明らかなソースはないですが、初期の段階で報道された隣人側の罵倒や挑発の言葉や(いつの間にか放送からカットされるようになる)、近所の人たちの「美代子さんは明るくて挨拶もきちんとする方です」というような証言は実際あったわけで、ひょっとすると、一方的に河原被告が理不尽に嫌がらせを始めたのではないという可能性もあるんじゃないかな…。しかも、次々と子供や夫を失って長年看病に明け暮れていた女性に、毎日執拗に隣からカメラを向けるというのも、十分精神的な嫌がらせになりうると思うのですが…。ふとん叩きつつわめく人も困るけど、毎日隣人を撮影する人が近くにいたら私はそっちのほうが相当ひく…。まあ真相はわかりません。でも報道の仕方も一方的に感じてならないです。おもしろおかしく不幸な背景を持った狂った(ように見える)女性をモザイク無しで報道し続けたテレビにもぞっとします。

生まれた時からバブル眉

 この前映画館に行って見た予告編の中に『バブルへGO!!』(公式サイト)というのがありました。ホイチョイプロダクションが8年ぶりかに制作する映画。広末が主演のコメディ。現在の景気低迷に憂えて、バブル景気崩壊を食い止めるためにタイムマシンでバブル絶頂期に潜入したお母さんを追いかけて、広末がバブル期にタイムとラベルする話。


 見たいような見たくないような…。いや見たいかも。でもバブル崩壊を食い止めるよりも、むしろバブル景気を食い止めたほうが健全なような気が…。バブル景気が続いていたら日本は逆に滅亡してたと思ったり。まあそんな真面目に考える話でもないですが。それより広末のお母さん役に薬師丸ひろ子って……(しょぼり)。15歳くらいしか年齢離れてないのに…。私にとって薬師丸ひろ子は永遠の美少女。スーパーアイドルのままなんですけどね…。私が20代の頃で彼女が二十歳になるかならない頃、雑誌の仕事関連で何度か顔をあわせる機会がありました。ちょうど『Wの悲劇』を撮るところで撮影現場も見せてもらったりしてました。初めて会った喫茶店に、たったひとりでやってきたのが印象的でした。スーパーアイドルだというのに電車に乗ってきたっていうし。本当に普通の学生さんだけどめちゃくちゃかわいかった。後年彼女のアルバムにも作詞で参加したりしました。薬師丸ひろ子が子供の時に「どろろ」をやってほしかったな…。男の子のような不思議な魅力がたまりませんでした。


 しかしバブル景気の頃ってみんな狂ってましたね…。出版社もレコード会社も本当に太っ腹で、本も気軽に出してくれたし、アルバムも制作費を湯水のごとく使って制作してたし、接待費なんか部長クラスだと月数百万。よくご馳走してもらった私もその恩恵をとっても受けた世代です。実際、それまで貧乏だったのが作詞したバンドが急に売れ出して私個人もバブル期に突入した時期でもありました。税理士さんに言われるまま税金対策で仕事場用マンション買って、結果数年後にうん千万円損失をわかりつつ売り飛ばしたりしました(無意味に不動産を持つのが苦痛になった)。ああ、私も狂っていた…反省。


 夫が『バブルへGO!!』の予告編見て以来、私の太い眉毛を見て「このバブル眉がっ」と呼ぶようになりました。ええい。私は生まれた時からバブル眉毛なんだっ。自分では気に入ってるのだっ。眉を細くしたり整えるのが嫌いで生まれてこのかた生えたまんまにしてます。自然のままなのに時代によって旬になったり時代遅れになったり…わけわからん。眉だけじゃなくてファッションの移り変わりもおもしろいですね。ワンレン・ボディコン…うーんくらくらするー。今、改めてあのバブル景気を振り返るってアイディアはいいかも。

「RE:GENESIS」

 今年は実家に帰るのを遅らせて夫とふたりだけでお正月を過ごしました。元旦から映画やドラマを見っぱなし。頭の中整理できてません。その合間にWOWOWで元旦から5日まで一挙放送しているカナダのドラマ『リ・ジェネシス』にふたりともハマってしまって大変。毎日3話分放送するんでDVDデッキのHDDにとりあえずとっておいて、借りてきたDVDを見てからそれを見る毎日。


 普段から『CSI・科学捜査班』が大好きな私には、このドラマも目茶苦茶惹かれました。こちらはバイオテクノロジー関連。生物学犯罪捜査をする生物学者たちの戦いのドラマ。CSI同様非常に専門的な話が多い。でもそれを、見ている側にもきちんと理解できるように説明もしてくれる。ウィルスとの戦いはとてもおもしろい。生物学者ってすごいなあ…と思いました。というか、私はオタクな科学者たちに惹かれるのかも。CSIマイアミの虫オタクの主任が大好きだし。


 でも『リ・ジェネシス』の主人公の生物学者は、ちょっとCSIの科学者とは違って、非常に情熱的で開放的で感情的なキャラ。研究所にリクルートするために会った女性生物学者といきなり寝ちゃったり破天荒なところも今までにないキャラです。笑えるところもたくさんありつつ、ウィルス感染や病気治療など様々な謎を解いていくところがおもしろい!!


 また後でWOWOWで毎週放送するそうです。最近は映画だけでなく、ドラマシリーズにいいのがありすぎて、見るのが大変…。『24』以来、ジェットコースター的展開で次を見たくて見たくてたまらなくさせるドラマがたくさん出てきたような…。明日もまた『プリズンブレイク』と『リ・ジェネシス』見ようっと。

 『犬神家の一族』の余韻

 見終わって3日目でも思い出すとつい笑いがこみあげてしまってた『犬神家の一族』のことを、今日も時々思い返していました。なんであんなに爆笑しちゃったんだろうと…。


 最初見始めた時は、「…え、こんな古臭い演出だったっけ?」という戸惑いと、どうにも間の悪い台詞やらテンポに、「さあて、困ったな。最後まで見られるだろうか…」という不安が芽生えてました。


 まず最初のシーン。村にある犬神家の家を遠くから映しただけで特にズームするでもなく終わり、その後すぐに犬神家の屋根から下にカメラがスクロールしていく。が、それがすごく中途半端なところで切れて、次は廊下をカメラがズームしていく。それも途中で切れて部屋の中で臥せっている仲代達矢のアップ。この導入部からもう落ち着かなくて落ち着かなくて。なんでカメラをずっとスクロールし続けて部屋までなめて行くようなシークエンスじゃないんだろうと…。シーンが切れて次に行く度に気持ちが萎える。


 これはきっと、私があまりにハリウッド映画の手法に慣れきっているせいかなあと、今日思いました。だいたい導入部のシーンで俯瞰から入る場合は、カメラはそのままズームして行き、メインの建物があれば屋根から部屋の中まで切れることなくきれいになめていくことが多い。記憶に新しいのでは『シークレット・ウィンドウ』のカメラ。あれはすごかった。コテージの庭から屋根裏の窓に入り、そのまま家の中を映し、階下に降り、寝ている主人公のアップまで切れ目無し。あと鏡を映してそのまま鏡の向こう側まで突き抜け、すべてが反転した状態の部屋を撮るシーンもあった。なにこれどうやって撮ったの!?って驚いたくらい。まあCG処理でうまくやってるんでしょうけど。


 そういうカメラワークに慣れてしまうのも問題なのかな…とふと思ったり。ジム・ジャームッシュが出てきた頃、あのカット割りが新鮮だと感じたのも、同じ原因かも。あれはあれですごく良かったんだけど。普段映画見てると、ついすべるようなよどみないカメラの動きを期待してる自分がいます。それゆえに『犬神家の一族』には最初から「あれれれれ」と思ってしまったんだけど、改めて思うと、あれはあれで味なんでしょうね…。いろいろなレビューを見ていると、私みたいに笑った人もいるけれど、感銘を受けている人たちも当然いるわけで。横溝ファンだとは思うのだけど…。あんなに爆笑して見た私って、悪い鑑賞者かな…?ってふと思ったりしました。

 ここんとこ忙しくて


 映画を見る暇がありません。WOWOWでやってるシリアル・ドラマ『CSI』『コールド・ケース』は録画してるんで見てるけど。やはりどーんと胸にきたり、爽快な気持ちになったり、爆笑したり、そういうふうに入れ込んで映画を見たいです。来週の土曜は映画館に行くつもり。予約は夫任せだけど。最新映画見てない時は、ゆっくり昔の映画の中から私的傑作映画のこと書こうかなと思ってるんだけど、カテゴリーだけ作ってまだ書けてません。


 あと久々に『ER』を一気に見たくなったりします。シリーズ7まではDVDすべて買ってある。ただ古い企画のDVDでいちいち2話ごとに裏返ししなくちゃいけないのが面倒。でも、最近のは見てないけど、『ER』を初めてみた時の衝撃は大きかったです。目まぐるしく動くカメラ、早いテンポ、緊急医療科の忙しさ・煩雑さを見事に表してた。そしてオープニング音楽のすばらしいこと。あれは傑作です。あの曲を聴きたくもなる。そして、大好きなグリーン先生が見たい。グリーン先生なら結婚したい!(まあ私は既婚ですが。そのくらいあのキャラが好き)。でもグリーン先生の役者さん、映画でたまに脇役で出てくるんだけど(『フォーガットン』とか)、ドラマで輝いてたのに、何故か映画では冴えないです。でも好き。

 3日連休


 連休で東京はどこもいっぱい。3日間テニスしたり映画見に行ったり、友人たちと食べ歩きしたり。充実した日が過ごせました。そして、何より、硫黄島の戦いを描いたクリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』を見て、胸を打たれました。私はずっと涙流しっぱなし。コンバットがメインかと思ったら、予想外のテーマがあり、おお?と思わせてくれる映画でした。とてもよかった。後できちんと感想書きたい。


 それと近くのビデオ屋さんにずっと見たかった『バンド・オブ・ブラザーズ』がなくて、TSUTAYAとか大きいショップまで出向くのが面倒で、amazon で一気にDVDをセットで大人買いしてしまいました。評判はいいし、是非見たいと思ってた作品なので惜しくない。


 ところで。私が今年見た映画の中で最高傑作と思う、そして実際、深くて優しくて聡明で弱くて、すべての表現において完璧ですばらしい映画『カポーティ』がもうすぐ上映終了だそうです。お客の入りもあまりよくなかったような…。すごく残念。本当にいい映画なのに…。


 まあ、時代的にカポーティを知っている人たちが少ないだろうし、若い人たちは「誰それ」って感じかもしれません。私は中学から大学まで引っ込み思案だったせいか、本と映画と音楽が一番の娯楽で(他にたいした娯楽もなかった)、文学もミステリーもSFもよく読んでました。父の本棚からオトナの小説なども読んでみたり。たぶん、私くらいの年齢以上の人にしかカポーティの存在は浸透してないだなあと実感しました。時代的に違うのですね。でもアメリカではさすがに未だにカポーティは忘れられない存在であるのだなあと思えたのはよかった。


 それに、あの映画、宣伝もあまり大掛かりじゃなかったし、内容的にも宣伝する側は悩むようなある意味地味な映画でもある。カポーティを知らない若者たちに、どこをアピールすればいいのか…。唯一フィリップ・シーモア・ホフマンアカデミー賞主演男優賞がアピールできた要素。しかしアカデミー賞そのものの重さが年々軽くなっていく昨今。それだけじゃお客は呼べないのですよね…。本当にすばらしい映画なので、とても残念です。

 録画失敗…

 『CSIラスベガス』のシーズン最終話、続けて2回をタランティーノが原案出して監督してるというので、デジタルプレーヤーに録画して、後でゆっくり楽しもうととっておきました。昨日会った友達が「最終話見た?最高におもしろかったよ」と言ってたので、ますます期待が膨らみ、今日やっとテレビモニターの前に座ってチェックしたら……!? なにこれ!? ずーっとCNNで北朝鮮の核実験のニュースが…。は?


 またやってしまいました…。録画するのに、うちはデッキのチャンネルだけじゃなくて、ケーブルのチャンネルのほうも予約しないといけないのだけど、それを忘れてしまう…。まあ私が予約してるんじゃないんだけど。みんな夫がやってくれるんだけど…。やってもらってるから文句言えない…。


 ぐわーなんてこと!あんなに楽しみにしてたのに。再放送は12月までないらしいし…(涙)がっくりです。これも全部北朝鮮が悪いんだっ。普段はWOWOWにチャンネル合わせたままでいるのにっ。核実験なんかするからCNNになってたじゃないかーっ。おのれー。これで核ミサイルが飛んできて死んだら、お化けになっても金正日を呪ってやる…。