「LA コンフィデンシャル」
大好き★★★★★
- 出版社/メーカー: 日本ヘラルド映画(PCH)
- 発売日: 1999/01/20
- メディア: DVD
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とりあえず心に残る映画を思い出しつつ書いてみる。
満足度最高点。導入部の時代背景を説明する映像(活気に溢れたLA)にダニー・デビートによるシニカルでおどけたLA賛歌ナレーションがかぶさって、もうここですでに引き込まれてしまいます。
正義感は有り余るほどあるがキレやすく暴走して警察官としての倫理観を失いがちな暴れん坊、ラッセル・クロウ。
警察官としての使命感が薄くミーハーでシャレ者で、ハリウッド映画の警察もののアドバイザーの副業やってちゃらちゃらしてるケヴィン・スペイシー。
新人ではあるが頭脳明晰、上昇志向が強いエリート、周りの無頼派警官に鼻持ちならないヤツと思われている若き警官、ガイ・ピアース。
この3人のキャラ設定がしっかりとできているからこそ、そりの合わない3人がぶつかり合いつつも、事件の真相に近づくにつれ同じ使命感を持って最後には一緒に命をかけて戦うところまでのストーリーがぐっと感動的に盛り上がる。脚本が緻密で時代考証も丁寧で、そこらへんの警察もの映画とは圧倒的に一線を画す出来。フィルム・ノワール的雰囲気をかもし出しつつ、ボガードのようなカッコいい出来すぎの刑事がひとりも出てこないところもいい。
そしてそしてなんといってもすんばらしいのが、キム・ベイシンガー! めちゃめちゃ美しい! したたかな高級コールガールを演じつつ、素朴な田舎娘の素顔を見せられたら男ならメロメロです(男じゃない私が言うのも変だけど。女でも惚れる)。こんなに演技うまい女優さんだとは思いませんでした(アカデミー賞助演女優賞) 美しいだけではないのですね。
クロウがキムをぶちのめす時のシーンが、どちらの気持ちもわかって哀しい。暴力はいかんですが、あんな体格の男が女を殴っちゃいかんですが、逆にいつの間にか深い絆ができちゃったのね、このふたり…と思わせるシーンです。ああ、幸せになってほしいと思う。このふたりが最後にキムの田舎に向って出発するシーンと、その後にちゃっかり昇進する抜け目ないピアースのシーンもいい。スペイシーが残した謎の言葉でピアースが真犯人を知るシーンもいい。
もう、どこをとってもすばらしいです。脚本完璧。私の中で最高傑作のひとつ。何度見ても飽きない。