小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

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と思ったら

 録画できてました! CNNのは先週の土曜日のだった…。間違ってごめんなさい、夫。金正日には謝らないけど。

 2週分ゆっくり見ましたよ。とてもおもしろかったし、最後に泣けました。CSIラスベガスのスタッフ総動員で仲間を助ける。虫オタクのグリッソムは温かくていいなあ。タランティーノCSIラスベガスが本当に好きなのがわかる脚本を書いてくれました。それぞれのスタッフの個性や趣味嗜好をきっちり知っているし、それを活かした脚本になってる。すばらしい。好きって気持ちが一番ものを作る原動力になると思った今夜。


 気に入ったシーン。今回は端役にも細やかな役割や台詞を入れて書かれているのですが(そこにタランティーノのキャラへの愛情が感じられる)、端役でもけっこう目立つ若くてハンサムなアジア系の研究者(車のタイヤ痕解析とか音声解析とかしてる)が、CSIのトップのおじさんに「博士号取りたいから研究費欲しいんです。どうにかなりませんかー?」と泣きつく。「そんなものは自分で出せ」と言われて「そんなお金僕ないですー。なんとかなりませんかー」とさらに青年が言うと、トップのおじさん、主任グリッソムの部屋を顎で示して、「グリッソムの部屋いっぱいにある虫や動物の標本、あれを集める費用をCSIが出したと思うか?」と言う。青年研究者それで黙り込む…。


 研究者は研究者の前にオタクなのだ。お金とか他のこと考えずに、自分が好きで興味があるものならがんがん自分の力で探し、集め、研究をしている。それこそが研究者というものではないのか?と、おじさんは言ってるわけですね。そこがすごく好き。そうそう。好きって気持ちがグリッソムみたいな研究者を突き進ませる。そういうパラノイアな研究者たちによって、科学は発達してきた。パラノイア万歳、オタク万歳、研究者万歳という気持ちです。ひたむきで誠実なグリッソムが大好き…。

海外ドラマいろいろ

 おととい夫が借りてきた刑事もの映画を見たのだけどタイトルわからない。いや、調べればわかるんだけど調べたくなるほどおもしろかったわけじゃないし…。ちょっと昔の映画みたいで、ストーリーは次の展開が読め過ぎてちょっと退屈してました。(【追記】夫に聞いたら『NY殺人捜査網』ってタイトルでした。いかにもマイナーなタイトルだなー)


 ただ、主役がなんと!! 『ユージュアル・サスペクツ』で見て以来、ぶさかわいくてセクシー!と期待していた、スティーブン・ボールドウィンでした。ボールドウィン兄弟(4人いて全員俳優)の中では一番ぶさいのだけど、なんか愛嬌があって目がすごく素敵で私は好き。お兄さんのアレックやウィリアムはハンサム過ぎて好きになれないのに。しばらくスティーブンも主役級で映画に出てたんだけどいつの間にか見なくなって…。そしたら、先日、アメリカのドラマ『CSI』(ラス・ベガス)にゲスト出演しててびっくり!


 普通なら嬉しいはずなんだけど。一目見てスティーブンの変わり果てた姿に言葉を失う…。お兄さんのアレック以上に太っていて、2重顎だし、なんか全体的にうらぶれてて輝きが一切なし…。いったいどうしたの…?ってくらい変わってました。目だけは相変わらずかわいかったけど。うーん。なんかこのまま目が出ないで終わりそう。ウィリアムのほうも最近見てないし。俳優さんも大変です。


 それと、おととい見た映画でスティーブンの相方警官をやっていたのが、クリス・ペンショーン・ペンの弟(兄??)なんだけど、ショーンと違って大きな身体がかなり太めです。でも、タランティーノの映画『トゥルー・ロマンス』とか、他にもたくさんいい感じの脇役で出てたんですよね。なのに…。最近知ったんですが、クリス・ペン、去年だかに亡くなったみたいです。死因はよくわからないけど、ひとり住まいのアパートで発見されたとか。…うーん。なんかドラッグのオーバードーズかしらと一瞬思ったり。または、故ジョン・キャンディみたいに太り過ぎからきた心臓発作かもしれないですが。残念です。いい味の俳優さんだったのに…。



 ところで最近は映画並みに、いや、下手するとそれ以上におもしろいドラマがありますね。『CSI 科学捜査班』シリーズ(ラスベガス、マイアミ、ニューヨークと、それぞれ違うシリーズである)。これは本当におもしろい!脚本もキャラもいい(特にラスベガスの虫オタクの主任が大好き)、決して海外にいたら知ることのないアメリカ社会の不可思議な世界が覗ける。マイノリティー(人種ではなく趣味とか性癖とか)の人たちの奇妙なコミュニティから、特殊な病気を持つ人たちのコミュニティとか、そこで殺人が起こって、そういうコミュニティの暗部が描かれたりする。下手すると政治的にかなり危ないところまで描写してます。


 製作はジェリー・ブラッカイマー。ハリウッドの大作ばかり製作しててあまり評判はよくないのかもしれないけど、私は、やはりすごい人だと思う。このCSIシリーズを見るたびに尊敬する。危ない題材を大胆に取り上げ、上っ面の社会問題ではなくて、差別や人種問題でも病気の話でも、タブーにも深く切り込んでギリギリまで描く。そこには決してきれいごとはなく、簡単に「差別」とか「貧困」とか言う言葉では説明できないもの、弱者=善意の被害者という簡単な図式も成り立たない。一般的な正義感では測れない善悪があり、人間は平等ではないことをまざまざと見せ付けられたりもする。そういう冷徹さを描いてこそ、やっと人間同士は相互理解の一歩を踏み出せるのじゃないかなって、そんなことまで考えさせてくれるところがすばらしいです。ドラマは他の見なくていいから、みんなにCSIラスベガスだけは見て欲しい。


 『24』のほうが日本では人気ですけどね。私と夫は『24』はネタとして笑いつつ見てます。ジャック・バウアーって、あれ、単なる殺人鬼でしょう? いっつも正義を盾にしてばんばん人殺す。なにかっつうと「何百万の市民の命がかかってるんだっ」とか、または思い切り公私混同で自分の妻と娘のためにがんがん人殺します。シリーズ1なんて、一日にジャック・バウアーが殺した人数、60人超えてるんですよ!!ただの殺人鬼でしょー。シリーズ1見てる時は、あまりに奥さんと娘がきゃーきゃーうるさいし、そのために警護の警官とかいっぱい犠牲になるんで、私はもう最後はイライラしっぱなし。ジャック、仲間の刑事の死は気にならないのか。死んだ刑事たちにも妻子がいるだろうに。最後は「もお、ジャックの妻子が殺されたほうが犠牲少ないじゃんっ」とか言い出すほどうんざりしてました。


 『24』は、でも、シリーズ2はそれなりにおもしろかったです。大統領役の黒人俳優デニス・ヘイスバートがいい。知的で大柄で穏やかな顔つき。すてきな俳優さんだと思う。彼は、黒人がひどく差別されていて白人と一緒に歩くことさえ憚れる時代がテーマの映画『エデンより彼方に』で、ジュリアン・ムーアと共演してた人。あれは泣けました。ジュリアン・ムーアはすごくいい女優さんですね。なんで『フォーガットン』なんてトンデモ映画に出たのかすんごい不思議。


 で、ドラマの話。次々と新作が出てますね。『プリズン・ブレイク』、『ロスト』、『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』、いろいろ見てると忙しい。『ザ・ロスト』は見てないけど。これに、終わってしまった『フレンズ』と『セックス・アンド・ザ・シティ』をきちんと見直したいなあと思ってるのですが、いつになることやら…。『プリズン・ブレイク』はおもしろいです。でも、今レンタルされてるのは話の途中でぶったぎられてますから、みなさん借りないように!12月になったら全部が出るみたいなのでそれまでお待ちを。私と夫はそれを知らずに借り続けて、最後にもだえ苦しんだので。


 …あれ?いつのまにか映画じゃなくて海外ドラマの話になってしまった。スティーブン・ボールドウィンの話だったのに(マイナー過ぎですよね…)。

最近映画館に行ってない

 だいたいは土曜日に夫とお気に入りのシネコンに行って、3作くらい見ます。唯一の夫とのデート。最近デートしてません。夫も私も腰が重くなっている…。いや、私か。この前夫が「XMEN」の試写会のチケット2枚ゲットしたのに、私が面倒で行かなかったこともありました。『Xmen』悪くはないんだけど…。最近アメコミ原作orアメコミ風味の映画が多いんで飽きてるかも。『ウルトラ・ヴァイオレット』とか、『イーオン・フラックス』とか『シンシティ』(これはおもしろかった)とか。


 でも見に行きたい映画があるのです。ロシア映画、『太陽』これは見たい。昭和天皇のことを描いた映画というだけでも見たくなる。私が覚えている昭和天皇は「あ、そう」としか言わないおじーちゃんてだけで、イマイチ人物像が見えてなかった。でも、戦争中や戦後に言われたとする言葉なんかを読むと、非常に人間的であり、軍部の誰とか内閣の誰とか、人を嫌ったり悪口言ったりもしていて非常に人間ぽい。


 天皇の立場から当時、当然いろいろな軋轢もあり、不満もあったんだろうなと思います。マッカーサーの面会で、もしかしたら自分が嫌いだった人を戦犯にしろとか言ってたかもしれない?とか妄想してしまう。石原寛爾とかなんでA級戦犯に選ばれなかったのか不思議だし。文相がA級戦犯にされてるのも不思議。まあ、後にGHQが公開した東京裁判の膨大な記録フィルムを編集されてできたドキュメンタリーフィルム『東京裁判』を見る限り、けっこういい加減な選び方みたいだったのはわかるし、そこに天皇の意思があったかどうかもわからないですが。


東京裁判 [DVD]

東京裁判 [DVD]

 20代に映画館でこの『東京裁判』(全4時間。それでも短い)を見て、初めて動く東条とか見てへえ…と思ったり、アメリカ人の弁護士が堂々とアメリカ大統領の原爆投下を非難しつつ日本の指導者たちを弁護した演説なんかで思わず涙したり…。ああ、民主主義と法治主義が当時これだけアメリカは先に行っていたんだなあという感慨と、「最初全く信用してなかった敵国の人間が我々の弁護を真剣にしている」という戦犯たちのナイーブな驚きとか、死刑宣告を受ける時の戦犯たちの昂然とし佇まいとか、様々な光景を見て、戦後教育の中で無自覚に左翼的思い込みを持って育っていた自分が、そのドキュメンタリーを見ることによって、かなり動揺したことだけははっきり覚えてます。


 その後の考え方に大きく影響を与えてくれたたくさんのことが、このドキュメンタリーにはつまってます。これを見た後、他にも原爆を落とした後のトルーマン大統領の演説とか、ニュールンベルグ裁判でのゲーリングの言葉とか読んだりして、なんというか20代に徐々に能動的に当時のことを知りたいと思わせてくれたこの『東京裁判』。DVDが発売されてそれも買いました。見てなかった夫と一緒に見ました。できれば日本人みんなに見てほしい。編集した監督は当時の左派系の人たちなので、決して右に偏向していない。ただただ戦犯たちの様子をカメラが淡々と映し出してる。それでどう感じるかはその人次第。ただ、「A級戦犯」と呼ばれた人たち、選ばれた当時の状況など見たら、戦後国会与野党一致で戦犯の名誉回復を決めた日本国民の気持ちがわかると思います。『東京裁判』については、いつかじっくり感想書きたいなあと思う。


 ていうか…。私はこれを書くつもりじゃなかったのだ!! その……とにかく、今、非常に見たい映画は『太陽』だってこと書きたかっただけだった……。