小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

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最近映画館に行ってない

 だいたいは土曜日に夫とお気に入りのシネコンに行って、3作くらい見ます。唯一の夫とのデート。最近デートしてません。夫も私も腰が重くなっている…。いや、私か。この前夫が「XMEN」の試写会のチケット2枚ゲットしたのに、私が面倒で行かなかったこともありました。『Xmen』悪くはないんだけど…。最近アメコミ原作orアメコミ風味の映画が多いんで飽きてるかも。『ウルトラ・ヴァイオレット』とか、『イーオン・フラックス』とか『シンシティ』(これはおもしろかった)とか。


 でも見に行きたい映画があるのです。ロシア映画、『太陽』これは見たい。昭和天皇のことを描いた映画というだけでも見たくなる。私が覚えている昭和天皇は「あ、そう」としか言わないおじーちゃんてだけで、イマイチ人物像が見えてなかった。でも、戦争中や戦後に言われたとする言葉なんかを読むと、非常に人間的であり、軍部の誰とか内閣の誰とか、人を嫌ったり悪口言ったりもしていて非常に人間ぽい。


 天皇の立場から当時、当然いろいろな軋轢もあり、不満もあったんだろうなと思います。マッカーサーの面会で、もしかしたら自分が嫌いだった人を戦犯にしろとか言ってたかもしれない?とか妄想してしまう。石原寛爾とかなんでA級戦犯に選ばれなかったのか不思議だし。文相がA級戦犯にされてるのも不思議。まあ、後にGHQが公開した東京裁判の膨大な記録フィルムを編集されてできたドキュメンタリーフィルム『東京裁判』を見る限り、けっこういい加減な選び方みたいだったのはわかるし、そこに天皇の意思があったかどうかもわからないですが。


東京裁判 [DVD]

東京裁判 [DVD]

 20代に映画館でこの『東京裁判』(全4時間。それでも短い)を見て、初めて動く東条とか見てへえ…と思ったり、アメリカ人の弁護士が堂々とアメリカ大統領の原爆投下を非難しつつ日本の指導者たちを弁護した演説なんかで思わず涙したり…。ああ、民主主義と法治主義が当時これだけアメリカは先に行っていたんだなあという感慨と、「最初全く信用してなかった敵国の人間が我々の弁護を真剣にしている」という戦犯たちのナイーブな驚きとか、死刑宣告を受ける時の戦犯たちの昂然とし佇まいとか、様々な光景を見て、戦後教育の中で無自覚に左翼的思い込みを持って育っていた自分が、そのドキュメンタリーを見ることによって、かなり動揺したことだけははっきり覚えてます。


 その後の考え方に大きく影響を与えてくれたたくさんのことが、このドキュメンタリーにはつまってます。これを見た後、他にも原爆を落とした後のトルーマン大統領の演説とか、ニュールンベルグ裁判でのゲーリングの言葉とか読んだりして、なんというか20代に徐々に能動的に当時のことを知りたいと思わせてくれたこの『東京裁判』。DVDが発売されてそれも買いました。見てなかった夫と一緒に見ました。できれば日本人みんなに見てほしい。編集した監督は当時の左派系の人たちなので、決して右に偏向していない。ただただ戦犯たちの様子をカメラが淡々と映し出してる。それでどう感じるかはその人次第。ただ、「A級戦犯」と呼ばれた人たち、選ばれた当時の状況など見たら、戦後国会与野党一致で戦犯の名誉回復を決めた日本国民の気持ちがわかると思います。『東京裁判』については、いつかじっくり感想書きたいなあと思う。


 ていうか…。私はこれを書くつもりじゃなかったのだ!! その……とにかく、今、非常に見たい映画は『太陽』だってこと書きたかっただけだった……。