小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

公式ブログからこちらに引っ越し。試用期間中です。

『ステルス』

★☆☆☆☆

 【ネタバレしてます】


 毎週5枚〜9枚くらい適当にDVD借りておいて、その合間にもケーブルTVで映画みたりしてますが、昨日はこれ見ました。夫は見ていたらしく「つまんないよーこれ」と言ってたけど、見てみないことには感想言えないし…。それに、ステルス戦闘機B2とか、結構好きだったりする私なんで、戦闘機見るのはいいかなあ?とか思った。


 しかし。
 見始まって20分かそこらで思い切り萎えた…。なんですかこれは〜。対テロ戦闘のために選ばれたステルス戦闘機パイロット3人(これがまた白人男性・黒人男性・白人女性という組み合わせ。思い切りポリティカリー・コレクトしてて苦笑)。で、彼らのミッションなのですが、国連決議とか当然ないんだろうし、アメリカ国防省が内密にやってる特殊任務ですかー??なんか、がんがん領空侵犯してますよ。フィリピンの都市のど真ん中のビルにテロ集団のアジトがあるからって、いきなり戦闘機飛ばして爆撃命令ですよ。んでも、飛んだ後になってターゲットのビルに近づく数十秒前になってから、パイロットが「こんな都市の真ん中では一般人が多数巻き込まますよ、どうやって攻撃するんですかー?」とか無線で司令官に聞いてる……。


 はあああああああ??ターゲットの周辺とか、ビルの設計とか、事前調査してないの??普通の爆弾投下ではビル倒壊で民間人多数巻き添えとか……飛ばす前に考えるでしょーがっ。んで、攻撃方法も考えてないまま戦闘機飛ばしてるの??爆弾も選ばずに??バカですか?? その報告にイチイチ頭抱えて悩む司令官。バカですか?これ海軍ですか?こんな間抜けなミッションありますか?戦闘機一機一回飛ばすだけでも、どれだけお金かかると思ってるのよ…。事前調査と綿密な攻撃作戦を立てず飛ばすバカな海軍がいるわけないでしょーが…!!! その司令官の役者が……ああ、大好きなサム・シェパードですよ。なんでこんな阿呆な役やってるの…(涙)


 最初のミッションで「はあ?バカですか?」連発してしまったんで、一気に脱力。その後のエピソードすべてが萎え萎えです…。パイロットがいちいちヴァケーション行って女といちゃいちゃしてる場面入れてもちーっとも人間ドラマに発展しないし。意味なし。無人給油機とか無茶苦茶(笑) あんなん空飛んでたらやばいです…。司令官と話してた政治家、ふたりはフリーメイソンみたいな秘密組織に入ってるらしい思わせぶりな演出(お陰で最後話が謎のまま)。そして出てきた最終兵器無人ステルス戦闘機!…まあ、いいですけど。戦闘機に積まれたAIがいろいろなこと学びつつ次第に人間化。勝手にネットから音楽DLしたり(何故空母から点検中のAIにネット繋がせる??)、果ては感情まで持つ…んで暴走。なんというありがちなストーリーでしょう。『2001年宇宙の旅』のハルから、こういう暴走する人工知能ネタは尽きません。要するにテクノロジーとか科学とかが実際はわかってない人たちの潜在的な恐怖なんでしょうかね。


 ほんでエディと呼ばれる無人戦闘機に必死に語りかけて暴走を抑止しようとするも、ステルス一機ダウン。パイロット、ジェレミー・フォックスあっけなく死んじゃって「はー?」。まあ、この映画に出演契約した後にアカデミー賞取ったみたいだし、主役じゃないのはわかるけど。他の残りのふたりのパイロットなんて知らない俳優さんですよ。男性の方はマシュー・マコノヒーの若い頃みたいな顔してますが。その男性がまたエディを必死に説得。で、何故かエディは彼の言うことを聞いて、最後は友達みたいな感じになる。最後は彼がエディに乗り込んでふたりで逃避行。操縦席でふたり楽しそうに話してますよ。


 ……なんだ、これって『ナイトライダー』じゃん!!!!!


 やっと気づきました。そうかそうか。人工知能搭載のしゃべる車…。あの『ナイトライダー』の戦闘機版として見ればよかったんだ…がっくり。まともにミリタリー映画かと思って見てたから「はあ???」の連続だったのね。指揮系統はむちゃくちゃだし、たいした人数でもないテロリストのアジトにこんな高価なステルス機をいちいち飛ばす愚かさ、アメリカはテロリスト見つけると勝手に他国の領空侵犯して民間人巻き込みつつ爆撃してるんすかー?とか、ただただぽかーんと呆れて見てたけど、そんなリアルに考えて見ちゃいけないんですね。一機ダウンするごとに、うわ……これで何億ドル損失なんだろう…とか思う必要もない。これは漫画なんだ!ナイトライダーなんだ!エディくん倫理と人間愛に目覚めちゃって、最後にヘリ相手に体当たりで死亡。しょぼすぎる…。ヘリって…。華麗にドッグファイトで撃墜されるならまだしも。そんで…エンドタイトル終わった後に出てきたワンシーン…。おいおい(笑)


 ということで、最後までへらへら笑いつつ、萎えつつ、なんとか見終わりました。いやあ、つまんなかった(涙) やっと夫と気持ちを分け合うことができましたよ。しかし、サム・シェパードが…あうあう。『ライト・スタッフ』での神々しいばかりにカッコいいサム・シェパード。自ら脚本だって書く理知的俳優さんなのに…。年取ってますます渋くなって素敵なのに……。出る映画選んで〜(涙) でも最近、いろんな映画に出てて嬉しいんですけどね。この前見た『きみに話す物語』では、主人公の男の子の若き日に出てくる父役やってましたが。ああいうのはすごくいいなあ。ちょっとしか出てないけど。…と、つまんないといいつつ、長いこと書いてしまった…。なんやかんやと突っ込んで楽しんではいたみたいです。