小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

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 ブッシュ大統領硫黄島の戦い「最も重大」

 http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061111-115707.html

 ブッシュ大統領硫黄島の戦い「最も重大」
 ブッシュ米大統領は10日、南部バージニア州クワンティコの国立海兵隊博物館の開館式典で演説し、太平洋戦争の激戦地、硫黄島での旧日本軍との戦闘が「米国の歴史上最も重大な戦いの1つだった」と述べ、現在のイラクでの戦闘も同様に語り継がれるだろうと強調、米軍のイラク駐留の意義をアピールした。
 大統領は約1万人の退役軍人らを前に、硫黄島の摺鉢山(すりばちやま)に立てられた星条旗が「米国の不屈の精神を象徴する永遠のシンボル」になったと指摘。
 これにイラク戦争を重ね合わせ「将来、自由で繁栄した中東を目にすれば、(イラク中部)ファルージャでの戦いをガダルカナル硫黄島と同様、米国人は畏敬(いけい)の念を持って語るようになるだろう


 以上のような記事を発見。読んでがっくりとする…。ブッシュ大統領、映画見てないのもろバレです……。

 あの映画を見て、『硫黄島の摺鉢山(すりばちやま)に立てられた星条旗が「米国の不屈の精神を象徴する永遠のシンボル」になった』なんて、能天気なコメント出せるわけがない。


 映画見た人は当然知ってることだけど、あの硫黄島に立てた星条旗とそれを映した写真(写真そのものは芸術的なほど美しくてすばらしいけれど)は、硫黄島で戦い、仲間を失い、地獄を味わった兵士の何人かを後々苦悩に陥れるシニカルな存在なのに……。


 まだ実際は勝利してなかったのに、たまたま旗を立てた兵士4人が「英雄」とされ、本国でバカバカしい宣伝ツアーをする羽目になった皮肉なシンボル。「自分たちは英雄なんかではない」と苦しむことになる兵士たちが哀れでした。映画を見た人間からしたら、硫黄島星条旗は悲しみと皮肉なエピソードの象徴でもあり、あの写真でわきたった本国にいる「戦場を見てない人たち」の愚かしさの象徴でもあり、多大な犠牲者を出しての過酷な勝利の象徴でもある。そんな「硫黄島星条旗」をこんなふうに語っちゃうなんて…。


 日本での意識はちょっと歪んでますが、国際社会においては国旗というのは神聖なものであり、誇りでもある大事なもので、どの国の国旗であろうと国旗に対しては敬意を払うのが国際的マナーでもあります。確かに星条旗そのものは、アメリカの精神を象徴するシンボルであるし、誇りではあるけれど…。映画見ないで、そういう基本路線の発言しちゃダメでしょー。笑われるでしょー。


 夫が「うはっ。ブッシュ、壮大なバカ」と笑ってたけど、うーん、確かに(笑) …でも、なんというか、ブッシュ大統領の単純で熱いところが、私は嫌いじゃなかったりする…。人間は良さそうな気がするんだけど。大統領としては…うーん……まあね…。


 まあアメリカでもリベラルな人たちからバカバカ言われてるブッシュ大統領だけど。…ただ…。ただね……日本人として、私は彼の政治活動すべてをバカと一笑に付す気持ちにはなれない。ブッシュ大統領に感謝できる部分もあるのです。その前に小泉前首相の尽力があってこそなんだけど、親北朝鮮で日本に冷たかったクリントン政権時代と打って変わって、拉致問題を、憂慮する国際問題として認識してくれて、公式の場でも何度もそのことを語ってくれたブッシュ政権。小泉さんとの間が非常に良好だったのもあるけれど、あそこまで日本のフォローをしてくれた大統領はいない。そこのところだけは感謝します(ひょっとしたら北朝鮮問題フォローするから、アメリカの牛肉輸入規制なんとかしてよっていう、裏の駆け引きがあったかもしれないけど)。


 共和党は現在苦しい立場に追い込まれているようですが、非常に打算的に日本人としての気持ちを言えば、未だに親北朝鮮の議員がいる民主党の勢力が増すのは、あまり嬉しいことではないです。保護貿易政策に関しても民主党は日本に圧力をかけていたわけだし。周辺事態がどうたらいう今現在の国際状況においては、日本にとってブッシュ政権は非常に大事。だから憂慮しています。複雑な気持ちです。


 まあそれはおいといて。ブッシュさんは、ほんとーーーーに天晴れなほどの能天気野郎というのを改めて思ったニュースでした。ここまでツッコミまくられそうなことを言っちゃうところがすごい。呆れて笑ったけれど、どこか憎めない。でも映画見てから発言しようねー大統領〜(涙)