小室みつ子 / 映画とかドラマとか戯言など

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 3日連休


 連休で東京はどこもいっぱい。3日間テニスしたり映画見に行ったり、友人たちと食べ歩きしたり。充実した日が過ごせました。そして、何より、硫黄島の戦いを描いたクリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』を見て、胸を打たれました。私はずっと涙流しっぱなし。コンバットがメインかと思ったら、予想外のテーマがあり、おお?と思わせてくれる映画でした。とてもよかった。後できちんと感想書きたい。


 それと近くのビデオ屋さんにずっと見たかった『バンド・オブ・ブラザーズ』がなくて、TSUTAYAとか大きいショップまで出向くのが面倒で、amazon で一気にDVDをセットで大人買いしてしまいました。評判はいいし、是非見たいと思ってた作品なので惜しくない。


 ところで。私が今年見た映画の中で最高傑作と思う、そして実際、深くて優しくて聡明で弱くて、すべての表現において完璧ですばらしい映画『カポーティ』がもうすぐ上映終了だそうです。お客の入りもあまりよくなかったような…。すごく残念。本当にいい映画なのに…。


 まあ、時代的にカポーティを知っている人たちが少ないだろうし、若い人たちは「誰それ」って感じかもしれません。私は中学から大学まで引っ込み思案だったせいか、本と映画と音楽が一番の娯楽で(他にたいした娯楽もなかった)、文学もミステリーもSFもよく読んでました。父の本棚からオトナの小説なども読んでみたり。たぶん、私くらいの年齢以上の人にしかカポーティの存在は浸透してないだなあと実感しました。時代的に違うのですね。でもアメリカではさすがに未だにカポーティは忘れられない存在であるのだなあと思えたのはよかった。


 それに、あの映画、宣伝もあまり大掛かりじゃなかったし、内容的にも宣伝する側は悩むようなある意味地味な映画でもある。カポーティを知らない若者たちに、どこをアピールすればいいのか…。唯一フィリップ・シーモア・ホフマンアカデミー賞主演男優賞がアピールできた要素。しかしアカデミー賞そのものの重さが年々軽くなっていく昨今。それだけじゃお客は呼べないのですよね…。本当にすばらしい映画なので、とても残念です。